現在、FX取引業者間では個人投資家を取り込むための競争が激化しています。
その中で、マネースクウェアジャパンは、特許を取得した「トラリピ」という自動注文システムで差別化を図り、順調にシェアを伸ばしてきていました。ところが2013年以降、同業他社が類似のサービスを提供するようになってきていました。
マネースクウェアジャパンの「特許権に基づく差止請求」にはこうした背景があります。
2015年2月19日、株式会社マネースクウェアHDが株式会社外為オンラインに対して、「サイクル注文」および「iサイクル注文」について、同社の特許権を侵害しているとして「差し止め請求」の訴えを起こしました。
同社が特許を保有する「トラリピ」は2007年に特許を取得、「ワナを仕掛けて寝て待つ」システムと同社公式サイトで紹介されています。
このページには『なぜ、特許「トラリピ」は模倣されるのか』というタイトルの記事も掲載され、「トラリピ」が同社のオリジナルであることを強くうたっています。
以下が、マネースクウェアジャパンの公式サイトで公表されている訴訟内容です。
(1)本訴訟に至った経緯及び概要
今般、当社は外為オンラインが2014年10月にサービス提供を開始した「サイクル注文」及び「iサイクル注文」が、当社の保有する特許権(特許第5525082号及び特許第5650776号)を侵害していると考え、その差止めを求める訴えを提起いたしました。
(2)訴訟の提起日及び裁判所
訴訟の提起日:2015年2月19日訴訟を提起した裁判所:東京地方裁判所
(3)本訴訟の相手方
株式会社外為オンライン(東京都千代田区代表取締役:古作篤)
(4)本訴訟の内容
外為オンラインに対する主な請求内容は、以下の通りです。
・当社特許権に基づく「サイクル注文」及び「iサイクル注文」のサービス提供停止
(5)今後の見通し
本訴訟の進捗に応じて必要な開示情報が発生した場合には、速やかに開示いたします。
尚、本訴訟が当社の連結業績に及ぼす影響は現時点では軽微であると考えます。
当社は、知的財産権を重要な経営資源の一つであると考え、平素よりその権利の取得及びその適正な活用を図っております。
引き続き、当社は、保有する知的財産権を侵害すると考えられる類似サービス・プログラムに対しては、一切の法的措置を含め、断固たる対応を採っていく所存です。
(原文:「当社特許権に基づく差止請求訴訟の提起について」)
訴えられた外為オンラインの「サイクル注文」と「iサイクル注文」というサービスは2014年10月に提供開始されました。
公式サイトを見ると、「特許出願済」となっていますが、特許を取得しているわけではありません。
外為オンライン以外でも、似たような自動注文システムのサービスを提供している会社は数社あります。
今回のマネースクウェアジャパンが起こした訴訟の今後の行方に関しては、FX業界全体が注視をしています。
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